【分かりやすく解説】日本国憲法第25条「生存権」について勉強・解説します!
ようこそヒケナンブログへ♪
一部の方に好評?な、日本国憲法全103条を勉強していこうシリーズです!
今回は日本国憲法第25条「生存権」について勉強・解説していきます!できる限り、子供や小学生、中学生にも分かるように解説していきたいと思います。
※一般人による説明なので、間違いがあるかもしれません。もし間違いがあった場合は丁重にお詫びさせていただきます。またコメントなどでご指摘していただくととても嬉しいです。
日本国憲法第25条を簡単に解説
すべての国民は、人間らしい生活をしていく権利があるよ!
国は、国民が人間らしく生活できるように頑張っていかないといけないよ!
日本国憲法第25条の条文
第25条の条文は次の通りです。
第25条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
第25条の解説
この第25条では次のポイントについて説明していきます。
- 第25条はいわゆる生存権とであり、社会権の一つである
- 生活保護は第25条が根拠となる
- 第25条は「プログラム規定説」と解釈されている
第25条はいわゆる生存権とであり、社会権の一つである
生存権とは「人間が人間らしく生きるために必要な環境や条件を、国に要求する権利」であり、国際的にも認められている権利です。日本では第25条により明文化されています。
この生存権は、社会権の一つと言われています。社会権とは「国民が人間らしい生活を営むよう、国家が国民生活に積極的に関わっていく権利」です。
基本的に国民は自由で国家の制限を受けないのですが、それだと貧富の差が広がり、人間らしい生活が出来ない人たちが出てきます。そのような人たちは国が救済していかなければいけない、という考え方により社会権という権利があります。
生活保護は第25条が根拠となる
病気などで仕事が出来ず経済的に苦しい国民には、生活保護によって保護されますよね。この生活保護は生存権を規定した第25条が根拠となっています。
何を持って「健康で文化的な最低限度の生活」なのかは、時代によって変わります。例えば携帯電話やスマホなどの電子機器、クーラーなどの家電も人によっては『贅沢品だ!』などと憤慨する人もいるかもしれません。
しかし、7割ルールという基準があり、居住区の7割の人が所有しているものであれば生活に必要なものとみなされ、生活保護でも所有することが可能です。
そのため、スマホやクーラーなどもほぼ問題ないです!
第25条は「プログラム規定説」と解釈されている
従来の学説ではありますが、第25条で規定している生存権は「プログラム規定説」と解釈されています。
プログラム規定説というのは「あくまでも国の努力目標であって義務ではなく、具体的にどのように施策していくかは裁量の余地が認められる」という説です。『国として努力はするけど、義務じゃないよ』というスタンスですね。
ただし、プログラム規定説でも生存権は保障されていますし、保障された上で「どの程度まで保障していくか」という部分に裁量の余地があるということになります。生存する権利は当然持っているのだけれども、最低限度の生活はどの程度なのか?という部分は裁量で決めていく、という感じでしょうか。
個人的には国に義務を課してほしいと思いますが…
第25条の生存権について争われた「朝日訴訟」
この「生存権」を保障した第25条に関して「朝日訴訟」(事件名:生活保護法による保護に関する不服の申立に対する裁決取消請求、事件番号:昭和39(行ツ)14)という有名な判例があります。
裁判例結果詳細 | 裁判所 – Courts in Japan:生活保護法による保護に関する不服の申立に対する裁決取消請求(朝日訴訟)
この訴訟は1957年、国立岡山療養所に入所していた結核患者の朝日茂(あさひ しげる)さんが厚生大臣を相手取り、憲法第25条に規定されている「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」と生活保護法の内容について争った行政訴訟です。
朝日さんは、当時の生活保護法による保護基準が『あまりにも低劣ではないのか?』と疑問に感じたことから、健康で文化的な生活を営む権利、つまり生存権が保障されていないとし、訴え起こしました。
この訴訟は「人間にとって生きる権利とは何か」を真正面から問いかけるという意味を込めて「人間裁判」とも呼ばれました。
当時、前例のない裁判ということで全国的にも注目され、国民的な訴訟支援運動までも巻き起こした当訴訟は、第一審では違憲判決が出た(朝日さんの全面勝訴)ものの、第二審では朝日さんの請求を棄却する判決が下されました。
そして、最高裁まで争われましたが、途中で朝日さんが逝去し、養子夫妻が訴訟を引き継ぐも、「生活保護を受ける権利は相続出来ない」としたため、原告の朝日さんの逝去により訴訟は終了したという判決が下されました。
最終的には、朝日さんの逝去に伴い訴訟が終了してしまった当訴訟ですが、後の生活保護基準の金額改善や社会保障制度の発展に大きく貢献したといわれています。
この朝日訴訟の詳細については、Wikipedia(朝日訴訟)やNPO朝日訴訟の会というサイトを御覧ください。
最後に
いかがでしょうか。
第25条は生存権に関する条文でございました。
次回は日本国憲法第26条「教育を受ける権利および義務教育」について楽しく勉強し学び・子供にもわかりやすく解説します!
乞うご期待!
沖縄生まれ、沖縄育ちの純うちなーんちゅの30代男性会社員、二児の父です。
沖縄に関することや体験談、私や家族が気になったことなどをブログで発信しています。