沖縄のビール「オリオンビール」の由来や歴史、名護工場見学について紹介します!
ようこそヒケナンブログへ♪
夕暮れのお風呂あがり、冷蔵庫からあるものを取り出し・・・
「プシュ!!」
ごくごくごく・・・ぷはー!!!!
この一杯、最高やっさー!・・・もうお分かりですね?
そう、ビールです笑
お風呂上りに飲むビールは最高にうまいですよね!特に今の時期の暑さも相まって、ビールのうまさが際立ちます!
さて、沖縄が誇る地元の県産品のビールといえば「オリオンビール」ですが、今回はこの沖縄の結婚式や入学式などのお祝い事やイベントには欠かさないオリオンビールを取り上げたいと思います。
「オリオンビール株式会社」の概要
オリオンビールは、沖縄県に本拠地を置くオリオンビール株式会社が製造、販売を行っています。沖縄本島北部にある名護市に唯一の生産工場を構えているため、「名護ぬ水小(なごぬみじぐぁー)=名護の水」と呼ばれていますね♪なぜ名護市なのかは、のちのオリオンビールの歴史でご紹介します
日本全体でのシェア率は0.9%と、日本のビール大手4社(キリンボール、アサヒビール、サッポロビール、サントリー)に比べてだいぶ低い数値となっていますが、沖縄県内では最大のシェアを誇り最盛期は沖縄の本土復帰直前の8割から9割!現在でも5割を超えるシェアとなっています!
このことから「沖縄のビールと言えばオリオンビール!」というイメージが定着しました。
販売の割合としては、ビール・発泡酒類が99%、清涼飲料水1%となっています。
オリオンビールはアサヒビールと業務提携を結んでいるため、県外のオリオンビールはアサヒビールによって生産、販売されています。本土の沖縄料理店を中心にオリオンビールが提供されるようになったのは、アサヒビールのおかげなのですね。
また、沖縄県内にあるアサヒビールもオリオンビールが一部生産して販売しています。あの”スーパードライ”はオリオンビールが生産・販売していますよ!
2016年には、初の海外拠点となる営業所を台湾に開設しています。
そして2019年、野村ホールディングスと米投資ファンドのカーライル・グループが、オリオンビール株式会社を共同で買収すると発表しました。あわせてオリオンビール株式会社の取締役会も買収に賛同すると表明しました。
この買収により、今後はアジアなど海外での販路拡大を図っていくようです。またアサヒビールとの提携関係は維持されます。
オリオンビールという名称の由来
オリオンビールの「オリオン」という名称は、実は一般公募で命名された名称であることをご存知でしたか?
「大衆に親しみやすく呼びやすい名称を」をコンセプトに、新聞紙にて懸賞金付きで募集広告が出されました。その気になる賞金ですが、1等から3等まであり、1等はB軍票1万円(ドル換算:83ドル40セント)、2等B軍票3,000円 (ドル換算:25ドル)、3等B軍票2,000円(16ドル70セント)で、それぞれ1名ずつもらえるものでした。
賞金が高額だったこともあってか、2、500通余りもの応募が寄せられ、823種類の名称が挙がりました。そのうちから810種類が審査の対象となり、 その結果「オリオン」が1位に選ばれました。「オリオン」とはもちろん星座のオリオン座から命名されたものです。
この「オリオン」が選ばれた理由は、大きく3つあります。
- オリオン座は南の星であり沖縄のイメージにマッチしていること
- 星は人々の夢やあこがれを象徴すること
- 当時沖縄を統治していた米軍の最高司令官の象徴が"スリースター"であったこと
オリオンビールの歴史
さて、このオリオンビールですが、いつごろから販売されたのでしょうか。その歴史は今から62年前、まだ。沖縄がアメリカ合衆国の統治下にあった1957年から始まります
当時の民政官だったパージャー准将は琉球商工会議所(今の沖縄商工会議所)の総会で、これからの沖縄を支えていく産業として、ビールとセメントの製造業の起業を呼びかけを行いました。
そこで、かねてから第二次産業の振興の必要性を痛感していたオリオンビール創業者の具志堅宗精(ぐしけんそうせい)氏はこの言葉に意を強くし、当時から名水が湧出していた名護町(現在の名護市)に沖縄初のビール製造業を行う「沖縄ビール株式会社」を設立しました。
ちなみにこの「沖縄ビール株式会社」という社名ですが、当初予定していた社名は「沖縄キリンビール株式会社」でした!これは本土の大手企業「麒麟麦酒株式会社」との技術提携を想定していたからです。しかし、技術提携の交渉が取りやめになってしまったので、名前からキリンを削除し「沖縄ビール株式会社」となりました。
さて、設立してから2年後の1959年に、「オリオンビール」を生産・販売することになるのですが、先述の通り、商品名を公募し「オリオンビール」と決定したことから、社名を現在の「オリオンビール株式会社」に変更しています。
さて、設立から2年で「オリオンビール」を販売したオリオンビール株式会社ですが、販売当初は順調な滑り出しとは言えませんでした。当時は輸入品は一級品、沖縄県産品は二級品というイメージが強く、外国のビールや、日本の大手ビールの勢力が強かったのです。
そこで具志堅宗精氏が自ら指揮を執り、社員一丸となって毎夜遅くまで一軒一軒に売り込みをかける人海戦術、いわゆるローラー作戦が行われました。
キャバレーやスナック、居酒屋などが立ち並んでいた那覇市の桜坂社交街を中心に、多い時には一晩で18軒も回ったそうです。
また、販売に力を入れるためオリオンビール販売株式会社を設立したことや、画期的なびん詰め生ビールの開発を行ったこともあり、その後売り上げ、シェアともに伸びていきました。
1957年から1966年の7年間で、沖縄県内のビール消費量は約5,533キロリットルから約15、452キロリットルと、約3倍伸びました。
オリオンビールの沖縄県内での消費量シェアは、同じ期間に約14%から95%に飛躍的に上昇しました!
1972年の沖縄本土復帰の際には、期限付きで沖縄県内のみ酒税が減免される優遇措置が取られました。この酒税の減免もオリオンビールに有利に働きました。優遇税率は5年間の時限措置でしたが、5年ごとに見直されるだけで延長が繰り返され、現在も県内出荷向けに限り、ビールが本土の酒税と比べて20%軽減されています。
軽減額は、2004年度実績でビールが約14億円も減免されています。
こうして、沖縄で確固たる地位を築いたオリオンビールは、アサヒビールとの業務提携、台湾への営業所開設、野村ホールディングスと米投資ファンドのカーライル・グループによる買収を経て、本格的な海外進出を果たすのもそう遠くはないと思われます!
昔懐かしい「オリオンサイダー」について
オリオンビール株式会社が販売した清涼飲料水の中に、1971年から1981年の10年間だけ販売されていた「オリオンサイダー」というサイダー飲料があります。
このサイダー飲料の販売はビール会社にとって2つ大きな利点がありました。
- ビールの醸造過程で算出される炭酸ガスをそのままサイダー製造に利用できること
- 製造工程や設備が比較的小規模で済むということ
この魅力的なメリットからか、本土の大手ビール会社のほとんどがサイダー飲料の開発・販売に取り組んでいたため、オリオンビール株式会社も販売に踏切ました。
当初は瓶に入れた飲料水でしたが、瓶の生産が打ち切られた1981年以後も1988年まで7年間、缶入りで生産と販売が継続されていました。
1988年でいったん生産が中止されたこのオリオンサイダーですが、2017年に瓶で36年ぶりに復刻しました。緑色の瓶やラベルは当時のままで、甘さ控えめのすっきりした味に仕上げられています。年間1万4千本の限定販売だが、状況次第で追加も検討されているようです。
沖縄県名護市のオリオンハッピーパークで試飲と購入(1本税込み350円)が出来ます。
オリオンハッピーパークで工場を見学しよう!
沖縄県名護市にあるオリオンビール生産工場を見学することが出来ます!
工場見学のためには「オリオンハッピーパーク」で受付をする必要がありますが、1時間程度で見学が可能な事、見学後はなんと工場で生産した超新鮮なオリオンビールをグラス2杯まで試飲することが出来ます!
オリオンハッピーパークの場所
住所:沖縄県名護市東江2-2-1
アクセス:那覇空港から沖縄自動車道許田インターを降り、国道58号線を北へ約10分
工場見学の予約・受付について
工場見学は年末年始の休業期間である12月31日から1月3日と、指定休業日以外はいつでも見学可能です。
見学する際は、あらかじめ予約を行ってからのほうがスムーズに見学が出来ます。当日飛び入りでの見学も可能なようですが、大体予約が埋まっているようなので予約をしていたほうが無難です!
予約の注意点
予約する場合は、いくつか注意点があります。
- 旅行代理店の方、未成年者のみの方、一人で見学の方、車椅子やベビーカーをご利用の方、または介助が必要な方
オリオンハッピーパークより、ご確認やお伝えしたい事項があるため、お電話でご予約を行ってください。 - 手話による案内をご希望
FAX(0980-52-2138)にてご連絡をください。
また、外国人の方による見学ご希望の場合は、英語版お申込フォームよりご予約いただくかお電話でご予約をお願いしますとのことです。
見学カレンダー
予約をする場合は、この見学カレンダーを確認したうえで電話、またはホームページより予約を行います。
見学カレンダーはこちら(https://www.orionbeer.co.jp/brewerytour/ 下部)より確認することが出来ます。
カレンダーより、見学したい日付を選択します。あらかじめ予約が可能な日しか選択できないようです
見学したい日付を選択すると、時間帯別の予約状況が表示されます。以外は予約が出来ます。
電話で予約
見学カレンダーを確認したうえで、見学したい希望日時を工場予約電話番号へ受付時間内にお電話します。
工場見学予約電話番号:0980-54-4103
受付時間:午前9時から午後6時(休業日除く)
※電話が混み合ってつながりにくい場合があるようです。その場合は時間をおいてお掛け直ししましょうね。
ホームページから予約
見学カレンダー上から予約を行います。見学したい希望日時を選択すると、予約受付フォームが表示されます。
そこで、名前やメールアドレス、年齢、ご来場人数等を入力して送信します。
工場見学の時間やルート
工場見学が可能な時間帯は午前9時20分から16時40分の約7時間の間となっています。
その7時間の間に、20分間隔で見学ツアーが開催されます。(全23回も!)
ツアーの所有時間は約60分で、見学が35分程度、試飲が20分程度となっています。
トイレは事前に済ませておこうね!
お楽しみの試飲タイム!
工場見学後は、工場から直送の超新鮮でキンキンに冷えたオリオンビールを2杯まで試飲できます!専門のスタッフの方が、上手にビールを注いでくれます!しかもおつまみまで出してくれます!
こちらも、もちろん無料となっています!
ハンドルキーパーの方、未成年の方、ビールが飲めない方にはノンアルコール、ソフトドリンクもありますので、安心してください笑
また、レストランやショップもあります!ビール2杯で足りない方は、レストランでお金を払って飲み直すことも出来ますよ笑
ショップにはオリオンビールに関連するオリジナルグッズをはじめ、各種お土産品も豊富に取り揃えておりますので、旅行で工場見学に行った方はお土産を買うのはいかがでしょうか♪
このオリオンハッピーパークですが、2011年5月にリニューアルオープンしてから、2018年11月に来場者が100万人を突破しています!たった8年目での達成で、オリオンビール株式会社の予想を上回るペースでの達成となりました。
記念すべき100万人目の来場者は台湾からの観光客でした。団体客ではなく、一般の観光客だったことからも人気の高さがうかがえますよね♪
この来場者さんにはオリオンビール1ケースなどの豪華賞品を贈呈されており、また前後の来場者さんにも、惜しかったということで、こちらも感謝の気持ちとして前後賞が贈呈されています。
オリオンハッピーパーク:https://www.orionbeer.co.jp/happypark/index.html
オリオンビールの地域貢献
オリオンビールは地域社会への貢献も積極的に行っています。
特に文化事業(各種イベント)への協賛に大きく寄与しており、沖縄県内のほとんどのイベントに協賛しています。
そのため『オリオン無くしてイベントは成り立たない』とまで言われています!
これらイベントへの協賛が、沖縄県内のアーティストの発掘や育成につながっており、沖縄の文化造成に多大な役割を担っていることが分かります。
オリオンビールが主催となっている最大のイベントでは「オリオン・ビアフェスト」で、毎年旧暦のお盆の翌週の土日に沖縄市で行われる全島エイサー祭りと同会場で行われています。
入場は無料で、沖縄県にゆかりのあるアーティストによるライブ演奏もあり、非常に楽しいイベントとなっています!
今年(2019年)も開催されます!詳細はこちら(https://www.orionbeer.co.jp/event/beerfest/koza.html)よりご確認ください。
最後に
いかがでしょうか。
オリオンビールについて、いろいろ分かっていただけたと思います!
私も今日の夜はオリオンビールで乾杯したいと思います!
本土からお越しで、まだオリオンビールを飲んだことがない方は、ぜひ飲んでみてください!
未成年はジュースで我慢してね笑
沖縄生まれ、沖縄育ちの純うちなーんちゅの30代男性会社員、二児の父です。
沖縄に関することや体験談、私や家族が気になったことなどをブログで発信しています。