子役はなぜ働ける?働ける理由と労働基準法との関係についてご紹介します!

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最近、高校生になった鈴木 福さんをテレビで見た時に「もう高校生なのか!」と驚きましたが、ふと「あれ?確か憲法で子供の労働は禁止されていたよな?なんで子役ってテレビに出演して仕事出来るんだ?」と疑問が湧きました。
そこで、子役はなぜ働けるのかを調べてみましたので、ご紹介します!
子役はなぜ働ける?子役と労働基準法の関係と働ける理由
子役が働くことができるのは、労働基準法で「この場合は働いても大丈夫ですよ」と定められているからです。

確かに、日本国憲法第27条では「児童は、これを酷使してはならない」と定めています。
しかし、憲法では児童の定義や年齢などは明文化されていないので、法律によってこれを定めているわけです。
具体的には労働基準法第56条にて、以下のように定められています。
労働基準法第56条(1項)
使用者は、児童が満十五歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了するまで、これを使用してはならない。

実は、労働基準法第56条には2項まであります。その2項に、子役が働ける根拠となる規定があります。それでは見ていきましょう。
労働基準法第56条2項では「映画の製作又は演劇の事業」については、満13歳に満たない子供も働けると規定されている
労働基準法第56条2項では次のように定められています。
労働基準法第56条(2項)
前項の規定にかかわらず、別表第一第一号から第五号までに掲げる事業以外の事業に係る職業で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて、満十三歳以上の児童をその者の修学時間外に使用することができる。映画の製作又は演劇の事業については、満十三歳に満たない児童についても、同様とする。
この規定の「映画の製作又は演劇の事業については、満十三歳に満たない児童についても、同様とする。」が、子役が働ける根拠です。
映画の製作はもちろん、演劇の事業についてはテレビのドラマやバラエティ番組、アイドル活動なども含まれるわけですね!
ちなみに、中学生が新聞配達のアルバイトをする、ということが稀にありますが、こちらもこの規定が根拠となっているわけです。
逆を言えば、映画の製作や演劇の事業以外では子供は働くことが禁止されているということです。
働けても時間的制限がある
子役が働くことが出来ることは分かりましたが、どの程度働くことが出来るのでしょうか。
子供の労働時間について、労働基準法第60条で規定があります。簡潔にまとめると以下のとおりです。
- 1日の労働時間は就学時間を含めて7時間まで
- 1週間の労働時間は就学時間を含めて40時間まで
ここで大事なのは就学時間を含めてという部分です。
例えば1日に5時間学校に行っている時間があるとすると、2時間までしか働けません。また、仮に5時間学校に行っている時間があり、あと2時間働ける時間があったとしても、昨日までの6日間で40時間働いていた場合は働くことが出来ません。
就学時間を含めることで、子供の教育を受ける権利を保護しつつ労働できるように配慮されているのですね。
また、午後9時から朝5時までの時間帯の労働について、子供は例外なく禁止されています。

実際に遵守されているかは疑問
このように、子役などの子供に対する労働は厳しく規制されていますが、実際に守られているのでしょうか。
実は、子役の労働に関して問題があったとされる事例がありました。週刊文春が発行した2017年3月9日号に「朝5時まで違法撮影 WOWOWドラマ天才子役号泣現場」という記事が掲載されました。
この記事によると、WOWOWのドラマ撮影で6歳の女の子の子役の撮影が、お昼の12時ごろから始まり、なんと次の日の朝5時まで続いていたというのです。さらに驚くことに、深夜3時過ぎからだけでも、この子役に対して4,50回の撮り直しがされていたとのことです。
先述の通り、子役の労働は学校がない日でも1日7時間まで、さらに夜9時から朝の5時までは例外なく禁止ですが、それが守られていなかったわけです。
WOWOWは「撮影現場や付近の待機場所にいたことは事実」と認め、その理由を「撮影スケジュールに遅れが生じたため、現場の判断でこのような事態に至りました」と説明し、女の子とその保護者に謝罪しました。
私も子を持つ親として、本当にこういう事例は怒りを覚えます。
子供の健やかな成長を願うためにも、こういうことはあってほしくないと感じます。
最後に
いかがでしょうか。
テレビの世界で華々しく活躍している子役ですが、きちんと法律の保護のもと、伸び伸びと子供らしく楽しく働いてほしいですよね!

沖縄生まれ、沖縄育ちの純うちなーんちゅの30代男性会社員、二児の父です。
沖縄に関することや体験談、私や家族が気になったことなどをブログで発信しています。