ハブはいる島、いない島があることを知ってる?ハブについて紹介します
ようこそヒケナンブログへ♪
皆さんは「ハブ」について、もちろんご存知ですよね!
そうです、あの毒蛇のことです!
沖縄と言えば、真っ先に思い浮かぶほど有名な蛇のことですが、ご存知の通り猛毒の持ち主です。
観光等で沖縄に来る方も多いと思いますので、今回はハブについて取り上げます。
ハブの生息地域ついて
ハブは南西諸島(いわゆる奄美地方から沖縄地方の島々)の、以下の22の島のみで生息が確認されています。
- 奄美諸島:奄美大島、枝手久島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島
- 沖縄本島周辺:伊平屋島、伊江島、水納島、瀬底島、古宇利島、屋我地島、沖縄本島、藪地島、浜比嘉島、平安座島、宮城島(うるま市・大宜味村両方とも)、伊計島、渡嘉敷島、渡名喜島、奥武島、久米島
さて、皆さんはこの22の島を見て、何か気付くことはありますか?
実は、生息分布が「飛び石状」という、ちょっと特殊な分布となっています。例えば以下の状態です。
- 奄美大島、徳之島、沖縄本島にはハブがいるが、その間の沖永良部島や与論島には生息が確認されていない
- 沖縄本島周辺では、伊江島、伊平屋島にはハブがいるが、その間の伊是名島には生息が確認されていない
なぜこのような特殊な分布となったか、については諸説ありますが、有力な説として「標高が低い島はハブがいない」という説があります。
陸続きだった琉球列島が、海面の上昇・低下を繰り返すうちに低い島のハブは全滅し、そのまま島となったというイメージです。
ハブの生態
ハブは日本固有種で、先述の南西諸島にのみ生息が確認されています。
種類と形態
ハブは一種類と思われがちですが、下記の4種類が生息しています。特に沖縄本島には4種類全部のハブが生息しており、ハブの群雄割拠となっています!
- ホンハブ
一番生息域が広く、個体数も多いハブです。ハブといえば一般的にはこいつのことです。全長が2メートルを越える場合もあります。沖縄本島で「2.42メートル、2.8キログラム」のハブが、奄美大島では「2.26メートル、3.15キログラム」の大きさのハブが捕獲されています。毒も強いです。白~黄色地で、黒い細かい網目模様が特徴です。
- サキシマハブ
名前の通り八重島列島のみで生息が確認されていましたが、最近は沖縄本島南部や宮古島でも発見されました。 大きさは1メートル程度です。体色は茶色く、鎖のような模様が入っています。毒は比較的弱めです。
- ヒメハブ
可愛らしい名前ですね。全長はせいぜい80センチで他のハブに比べて小さめですが、極端に胴体が太いのが特徴です。暗褐色で班目模様は比較的薄めとなっています。他の種よりも水辺を好み、カエルを主食にしています。ハブとしては毒性は最も弱く、大きな事故になった前例はまだありません。
- タイワンハブ
名前が示す通り、元々は中国大陸や台湾に生息していた外来種ですが、人為的に持ち込まれて沖縄本島の東部で繁殖しました。最大1.2メートル程度で、灰褐色に黒い鎖の模様が入っています。また、牙が細長い上に毒も強いので、危険な種類のハブです。ただし、確認されている中では個体数は非常に少ないです。他の種よりは木の上での生活を好む傾向があります。
活動と棲み処
基本的には夜行性で、昼間や土の穴の中や物陰等で休んでいますが、小雨や曇りの時は昼間でも活動することがあります。地表でも木の上でも活動するため、大木にも注意が必要です。
棲んでいる場所として、平地から山地の森林、草原、水辺、農地や、ネズミなどのエサを追って人家周辺に入り込むことがあります。墓(沖縄の墓は亀甲墓といって、本土の墓とは形が変わります)やサトウキビ畑でもよく棲んでいます。
一年を通して活動しており、意外にも冬眠はしません。しかし、変温動物ということもあり、気温の低下する12~2月頃は動きが鈍くなります。
蛇の一般的なイメージとして冬眠すると思われている方もいると思いますが、冬眠はしないので冬の時期でも注意が必要です!
性質
非常に攻撃性が強く、ピット器官と呼ばれる熱を感知する器官で感知したものには、威嚇行動をせずに即座に襲いかかるほどです。
攻撃時には体の2/3ほども伸ばして毒牙を立てて襲います。体長を2メートルと仮定すると、約1.5メートルも離れたところから攻撃ができるということです。
ハブを見かけたら、まずは距離を取りましょう!というか、すぐ逃げましょう笑
また、徳之島に生息する個体は特に攻撃的と言われており、実際にハブに咬まれる被害が最も多いのは徳之島です。徳之島のハブには特に要注意です!
食性
主に小型の哺乳類(ネズミなど)、鳥類、爬虫類、両生類、魚類などを食べます。ネズミは全体の82.5%を占めるとする報告例もあるほどネズミが好きなようです。
また、ウサギやネコ、オオウナギなどが食べた例もあります。幼蛇は爬虫類や両生類、小型の哺乳類を食べる傾向が強いです。
繁殖
4月に交尾をし、7月に卵を産みます。1度の産卵で4~15個程度産むようです。卵は約40日で孵化します。
ちなみに、孵化する時には既に毒を持っていますので、子供のハブでも要注意です!
ハブの毒と被害状況
毒性はあのニホンマムシよりも弱いですが、毒牙が1.5センチと大型、かつ毒の量が100~300ミリグラムと多いです。1回咬まれるたびに平均22.5ミリグラム、最大で100ミリグラム程度の毒液を排出します。
ニホンマムシより毒性が低いですが、1度だけじゃなく何度も咬むことでそのつど毒を注入され、致死量に達する可能性があるってことですね!
咬まれたら出来るだけ早く血清を使用する処置が必要です!
被害状況ですが、年々減少傾向にあります。平成30年(2018年)では沖縄県で49人、鹿児島県で47人となっています。
咬まれる状況として、1番は農作業中が全体の40%を占めており、あとは屋内や道路での作業中、山林草地を遊歩中などがあります。
ハブに咬まれたら
万が一、ハブに咬まれたら以下の通りに落ち着いて対処しましょう!
- ハブかどうかを確認する
見分け方としては色や模様、大きさです。また頭のうろこがハブは細かいです。あと咬まれて5分以内に腫れと激痛がある場合はハブの可能性が高いです。 - 大声で周りの人に助けを呼び、むやみに走り回らず、おとなしくする
走り回ると毒の周りが早くなります。移動する場合はゆっくり歩きましょう。 - 包帯やネクタイといった帯状の布で、咬まれた部位よりも心臓に近い部分を「指1本通る」程度に縛る
あまりきつく締めすぎると血流が滞ってしまうため逆効果です。また、15分に一回は緩めましょう。 - 出来るだけ早く病院で受診する
毒が回り切る前に血清を注射する必要があります。
痛みや気分を紛らわすために、鎮痛剤やお酒を飲むことは絶対にやめてください!毒の周りが早くなります!
とにかく冷静に落ち着きましょう!今は医療も進歩していますから、ハブに咬まれたぐらいでは簡単には死にません!
ただ、一番は咬まれないことなので、ハブが居そうなところには極力近づかないでくださいね!
最後に
いかがでしょうか。
本土の方はもちろん、奄美や沖縄の方でもハブについて詳しくお分かりの方はあまりいないのではないでしょうか。
私もこの記事を作成することで、ハブについていろいろわかったことがあり、改めてハブの怖さを知ることが出来ました。
これからは観光シーズンですし、沖縄に遊びにいらっしゃる方も多いと思います。ぜひハブには気を付けて、楽しい観光旅行にしていただけるよう、お願い申し上げます。
沖縄生まれ、沖縄育ちの純うちなーんちゅの30代男性会社員、二児の父です。
沖縄に関することや体験談、私や家族が気になったことなどをブログで発信しています。