その泡触れないで!2020年4月10日に普天間基地で発生した泡消火剤(PFOS)流出問題について
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沖縄は新型コロナウイルスの問題で持ちきりですが、米軍普天間基地飛行場から泡消火剤が放出され、それが基地外に流出するという事故が発生しました。
新型コロナウイルスに目がいきがちですが、この問題もかなり深刻だと思いますので記事にして皆さんに紹介します。
2020年4月10日に発生した泡消火剤流出問題について
2020年4月10日の午後4時45分ごろ、米軍普天間飛行場の格納庫で消火システムが作動しました。
その消化システムの発動により、有機フッ素化合物の一種であるPFOS(ピーフォス)という化学物質が含まれる泡消火剤が放出されました。
この消火剤は雨水排水用の水路で水に混じり、基地外の南側に流出してしまいました。さらに泡は風にあおられ、宜野湾市の真栄原や大謝名周辺の住宅街に降ってしましました。
一夜明けた11日には、大量の消火剤は宜野湾市嘉数と大謝名の境を流れる宇地泊川と、その周辺の住宅街まで広がっています。
沖縄防衛局は、米軍の情報から「かなりの量が宜野湾市に漏れ出した」と説明しています。
現在、宜野湾市消防が懸命に泡消火剤の回収に当たっていますが、効果的な回収が出来ず断念している状況です。さらに、この事態を起こした米軍や沖縄防衛局は現場で作業に当たっている消防隊の作業を見守るだけでした。
泡消火剤に含まれるPFOS(ピーフォス)とは
PFOS(ピーフォス)とは、有機フッ素化合物の一種です。
1940年代のアメリカで開発され、耐熱性や耐薬品性などで非常に優れた安定性と表面張力を大きく低下させる性質があることから、撥水剤や紙・布の防汚剤の原料、そして泡消火剤成分などに使用されてきました。
このPFOSですが、その安定性ゆえ環境中で分解されにくく、蓄積しやすいという性質もあります。そのことから「永遠の化学物質」とも呼ばれています。
つまり、自然に浄化されることは、ほぼないということです。
PFOSは発がん性などの健康リスクが指摘されている
このPFOSですが、発がん性があることや胎児の低体重、また成人の生殖機能への悪影響、肥満、甲状腺疾患など、様々な健康リスクがあると指摘されています。
2004年5月17日に発行された「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」という条約で、国際的に製造・使用が制限されました。
日本国内でも一部例外を除き原則的に使用・製造が禁止されています。
※日本は2002年に「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」に受託しています。
2019年12月にも泡消火剤の事故が発生していた
2019年12月にもPFOSを含む泡消火剤が基地内で漏れた事故が起きていました。
QAB NEWS Headline:普天間基地で泡消火剤漏れ出す
この事故の原因は消化システムが誤作動したとのことです。ただ、幸いにも泡消火剤の流出が基地内に留まり、回収も終わり県内に流出はなかったと米軍側は発表しています。
しかし、日本国内でPFOSを含まない消火剤に順次交換しているはずなのに、普天間基地内では交換が進めていないことが浮き彫りになりました。
最後に
いかがでしょうか。
2020年4月12日は、普天間基地の全面返還に日米が合意してからちょうど24年経ちますが、辺野古基地建設は予定通り行われず、まだまだ返還の見通しは立っていないのが現状です。
世界で一番危険な基地
普天間基地には、このキャッチフレーズが付きまといます。今回の泡消火剤流出に加え、沖縄国際大学へのヘリ墜落事件やヘリの窓が落下した事件など、基地に関わる事件は後を絶ちません。
新型コロナウイルスに気を取られがちですが、沖縄の重大な問題の一つである基地問題にも、改めて目を向けていきたいと感じました。
沖縄生まれ、沖縄育ちの純うちなーんちゅの30代男性会社員、二児の父です。
沖縄に関することや体験談、私や家族が気になったことなどをブログで発信しています。